Roadside Picnic in 台北

剝皮寮歴史街区・台北国際芸術村/台北/2020

台湾の特徴的な風景のひとつである屋根付きの通路帯「亭仔脚」は、道路に面した地上階の一定幅を、建物所有者の私有の土地であるにもかかわらず、主に歩道として公に開かねばならない。これはもともと、強い日差しと雨を避けるために習慣的につくられていたものが、日本統治時代に制度化され義務化されていったのだという。名実ともにパブリックとプライベートのあいだにあるこの境界領域は、歩道という基本的な機能を保ちつつも多様な使われ方をしており、様々な意味で大きな可能性に満ちている。そしてこれらは長い歴史の中で都市のランドスケープを形成してきたと同時に、この建物自体がさまざまな風景を目撃してきた。

この「亭仔脚」の構造を利用して巨大なカメラオブスキュラ(ピンホールカメラ)を作成し、都市の持つ「視線」を可視化するとともに、この領域の曖昧性を際立たせた。そして街の人々にこのカメラ内部からの風景の見え方を体験してもらった。台北國際芸術村での成果展では、この「亭仔脚」のカメラオブスキュラで撮影した大型ピンホール写真とそのプロセスを展示し、さらにプロジェクトで使用した木材を再利用して制作した等身大のピンホールカメラをギャラリー内に設置した。